目の上数センチ

一日で飽きる恋、二日で抜けるアルコール、三日で忘れる二人

対価の足跡

sガストのカウンター席に座る

沈黙を貫く均等に並んだ丸椅子と

空気を読んだかのように

無言でハンバーグ搔っ食らう似た者同士

その一方で銀色の壁に囲われて

忙しなく働く赤ポロのクルー

これで時給985と聞いて

不思議な気持ちになる

 

自分はと言うと好きなものに囲まれて

基本的に接客を一時間に一回

それ以外は座って駄弁ったり好きな楽器を弾く

それで時給1000、少し胸が痛くなる

 

時給2500の塾講だって

ずっと頭使って、前準備だってして

時給1500の深夜バイトをする友達

腫れた目を擦り揚げ物を揚げる

大変だなあみんな大変だなあ

 

人の価値ってなんだろうね

時間の対価はすごく理不尽だね

 

一枚しか二人の写真を投稿しなかった一年連れ添った元カノ

今の彼氏とは死ぬほど写真撮ってるじゃん

人の価値ってなんだろね

 

二月のセプテンバー

春の砂浜が好き

夏は人でごった返して騒がしいし

冬は裸足で歩けないし

 

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誰もいない、何もない藍と白を二人占めして

僕の足跡をなぞりながら歩く姿と

形にならないボロボロの砂の城

意味もなく掘った穴と

わざと波打ち際に書いて流された文字

その全部が二人を物語ってた

 

シャワー浴びた後に砂の上歩くとすぐ乾くんだよ

はしゃぐ君を片目に、生ビールを片手に

この後どうする?休憩する?なんて

いつもそればっかじゃんと不貞腐れる姿

冗談だよと焦りつつ場を繕ってた

 

まだ春のはずなのに、迫り来る何かが

ただ背中をジリジリと疎に焦がしていた

僕はまた春が終わる前に会う口実と

今日を引き延ばす言い訳を探していた

 

飲んじゃったからさ、やっぱ今日は休んでこ

 

最後に許しちゃうところが、最低だったよ

 

 

 

 

 

 

蒸発

体に針を通されてただじっと雲の動きを格子窓から追いかけていた

こんな風に情けない格好でされるがままに動いていると

「ここまでして生きるべき命なの?」と自問してしまう

こんなことは大抵、何もしていない時に思うことで

多分いつもの日々に戻ればまたこれまでのように

ただ妄りに青春の残り香を嗅ぐような生活をきっと続ける

 

「私たち、今日も何もしてないね」

そういつも言っていた

する事がないから、と、

別にお互い興味もない映画を見に言ったし

別にそこまでじゃないラーメン屋に地下鉄を乗り継いで行った

雨の日はドンキホーテと百均に行って食材を買って帰って

次の日は、今日は少し背伸びしてパブスタに行った

そりゃ一日中気だるくて、お互い下着にシャツ一枚でコンビニにだけ行って、

あとはずっと家で何もしてない時もあった

でもそれはそれで幸せで、沈黙が続いた後の苦笑いでさえも心地よく思えていた

 

僕ら、何にも気づけていなかったね

別に、何気ない日々なんかじゃなかったよ

 

 

手記

何日か連続で予報が外れてる。

雨、たまにはいいかなって期待してるのに曇り。

曇りの日は気持ちがどんよりするから嫌だなあ、

ずっと部屋の中にこもりたくなる。

でも、曇りの日にしたくなることが1つだけあって、

いつも行ってる古着屋に服を買いに行く気分になる。

なんでだろうね、わかんないけど、シャツ一枚だけ可愛いから買ってきた。

 

このブログね、そろそろ潮時だとは思ってはいるんだけど、

毎度ほんとに系統の揃わない投稿ばかりでごめんなさい。

1日に20人とか見るようになってさ、なんかいつの間にか続けていましたとさ。

 

僕には元々彼女がいて、諦めきれないまま埋めるように彼女を作って。またその彼女と別れて。

次はどうなるんだろうね、先輩の家に通う生活もやめちゃった。

 

恋愛すると愚痴が増えるし、タバコ吸うとフラフラするし、お酒は頭痛くなるし、全部やめるべきかもね。

好きな人できたらタバコやめる!

とか言ってるからまともな女子寄り付かないのかも。

いい人はみんな友達。

いいんだけどね別にそれはそれで。

 

年上で、大人な人と、大人な恋愛をしたいです。

僕、まだまだ子供なので、大人に憧れるんです。

 

 

惜別

恋や愛や好きだけでは付き合っていけないことを知りました

周りの評価、親からの叱責、生活環境の差異

それらがあまりにも積み重なると崩れるのでした

浮気の白線は既に薄れていたね

 

唸りを上げて6両が到着を知らせてる

バイト終わりの通話が鎖になっててね

2人は惹かれ合ってたはずなのにね

いつからか離れないために必死に繋がれていたね

投稿の文字数制限が無駄に虚しくさせていました

 

二人のために貯めてたお金で12箱まとめ買い

2人のために開けてたなけなしの時間でなにしようかな

次の人は吸わない人だといいね

 

二月の次は六月を繰り返すんだなんて

重ねてしまうところがダメなんだね

 

最近のこと

先輩の家に転がり込む

柔軟剤の匂いが鼻を通る

あくまで自分は模倣犯

ため息をあくびで誤魔化してる

 

洗濯物を片付けながらこれは誰が買ったのなんて

行き場の無い物思いにふけては眠りにつく

色あせたメンズと新品のレディース

前者を箪笥の奥に無造作に押し込む

明日ここが散らかっていたら落ち込むのかな

なんてそんなことを思いながら携帯を意味もなく開く

 

2人の日は決まって朝にシャワーを浴びた

「朝は忙しいから2人で」都合のいい言い訳

シャワーの後に昨日と違う髪の匂いに顔を顰める

火照った体を隠すように大きめのシャツを着る

「先輩の靴間違えて履いちゃった笑」

そうわざと言って朝を引き延ばす

鍵をかける音に不安を感じてしまう

 

 

明日ここの鍵を開けるのは誰なのかなんて

バイトバイトな毎日を悔やんでまた現実に戻る

 

今日も1限に間に合ってしまう時間だった

 

回帰

紙幣の徒遣いと疲弊の寸借詐欺

自己顕示の氾濫に自傷を重ねる

文字数と歩幅を君に揃えてた時

チルな夜に吐き出す濁りと不満

構内放送に漂う枝毛の匂いと影

最初のまた今度は震えていたし

けどニ人日々は満ち足りていた

でも終わりは大体わかっていて

最後のまたねの語尾は弱かった

最後僕は一文字足りなかった