二月のセプテンバー
春の砂浜が好き
夏は人でごった返して騒がしいし
冬は裸足で歩けないし
誰もいない、何もない藍と白を二人占めして
僕の足跡をなぞりながら歩く姿と
形にならないボロボロの砂の城と
意味もなく掘った穴と
わざと波打ち際に書いて流された文字
その全部が二人を物語ってた
シャワー浴びた後に砂の上歩くとすぐ乾くんだよ
はしゃぐ君を片目に、生ビールを片手に
この後どうする?休憩する?なんて
いつもそればっかじゃんと不貞腐れる姿
冗談だよと焦りつつ場を繕ってた
まだ春のはずなのに、迫り来る何かが
ただ背中をジリジリと疎に焦がしていた
僕はまた春が終わる前に会う口実と
今日を引き延ばす言い訳を探していた
飲んじゃったからさ、やっぱ今日は休んでこ
最後に許しちゃうところが、最低だったよ