目の上数センチ

一日で飽きる恋、二日で抜けるアルコール、三日で忘れる二人

2019-01-01から1年間の記事一覧

対価の足跡

sガストのカウンター席に座る 沈黙を貫く均等に並んだ丸椅子と 空気を読んだかのように 無言でハンバーグ搔っ食らう似た者同士 その一方で銀色の壁に囲われて 忙しなく働く赤ポロのクルー これで時給985と聞いて 不思議な気持ちになる 自分はと言うと好きな…

二月のセプテンバー

春の砂浜が好き 夏は人でごった返して騒がしいし 冬は裸足で歩けないし 誰もいない、何もない藍と白を二人占めして 僕の足跡をなぞりながら歩く姿と 形にならないボロボロの砂の城と 意味もなく掘った穴と わざと波打ち際に書いて流された文字 その全部が二…

蒸発

体に針を通されてただじっと雲の動きを格子窓から追いかけていた こんな風に情けない格好でされるがままに動いていると 「ここまでして生きるべき命なの?」と自問してしまう こんなことは大抵、何もしていない時に思うことで 多分いつもの日々に戻ればまた…

手記

何日か連続で予報が外れてる。 雨、たまにはいいかなって期待してるのに曇り。 曇りの日は気持ちがどんよりするから嫌だなあ、 ずっと部屋の中にこもりたくなる。 でも、曇りの日にしたくなることが1つだけあって、 いつも行ってる古着屋に服を買いに行く気…

惜別

恋や愛や好きだけでは付き合っていけないことを知りました 周りの評価、親からの叱責、生活環境の差異 それらがあまりにも積み重なると崩れるのでした 浮気の白線は既に薄れていたね 唸りを上げて6両が到着を知らせてる バイト終わりの通話が鎖になっててね …

最近のこと

先輩の家に転がり込む 柔軟剤の匂いが鼻を通る あくまで自分は模倣犯 ため息をあくびで誤魔化してる 洗濯物を片付けながらこれは誰が買ったのなんて 行き場の無い物思いにふけては眠りにつく 色あせたメンズと新品のレディース 前者を箪笥の奥に無造作に押し…

回帰

紙幣の徒遣いと疲弊の寸借詐欺 自己顕示の氾濫に自傷を重ねる 文字数と歩幅を君に揃えてた時 チルな夜に吐き出す濁りと不満 構内放送に漂う枝毛の匂いと影 最初のまた今度は震えていたし けどニ人日々は満ち足りていた でも終わりは大体わかっていて 最後の…

右耳は僕の左耳は誰の

美味しさを求めて棘に刺さる 罪の弁明を六弦に図る 肺で嘘と煙を濾していく 自責の念と吸い殻がただ溜まって行く 雀荘に入り浸り汚れた空気に溺れる こんな堕落を聞いたらどう思うのかなんて そんなことは毛頭考えてないみたい 財布の中身が底をついても 膝…

やめて

好きじゃないのに好きって言わないで 今日だけなのに会いたいって言わないで 機嫌が良いからって奢らないで 昨日のあの人のこと隠さないで 愛してないのに抱きつかないで 二人ずっと、なんて思ってないでしょ言わないで 私たち親友だからなんて言葉で誤魔化…

蝙蝠

10時までのバイトに疲れて1LDKに泊まる日々 昼間の余熱に起こされた二人深夜2時 映画のエンドロールになる前に重なり合ってた いつのまにか寝てしまっていたようで 目、完全に覚めたし映画の続き見るためにコンビニ行って買い足しいこ? そう言いながら気怠…

未定

煙を肺で濾してその末に貧血 金を払って寿命を縮めて死んでいく 内容勝負と意気込んだ末に単位を落とす 体当たりや空回り 馬鹿馬鹿しいから嘲笑い 狂い始める時間割 付き合ってるけど好きじゃない 2019がもう半分経って 浴衣姿とあんず飴 ラスト四文字で韻を…

見覚えないよ

強風に煽られて肌蹴たティシャツの 隙間から垣間見えた昨日の嘘が 僕を夏の焦燥へと連れて行く 二番線と三番線 息を吐くようにブレーキを踏む鉄の塊を挟んで 遠く指をさしたその先に何があったの 凝り固まった肩と脳 凹凸の双方からかけられる圧力 重なる課…

最近

もしもし、今、三茶にいるんだけど こんな場所、用がなきゃ来ないのに そう思いながら窓を眺める終電の中 今日も枝毛と柔らかい手に抱かれるのかな なんて思っていたのに薄暗い部屋とタバコと酒 手を引かれて初めて入った店 ロックのグラスと白い粉 重低音と…

愚問

社会の窓から顔を出して会話する大人 気に触る発言にぶら下がる返信その他 喫煙者が群がる深夜の屋上で寝てる人 燃費の悪い走行で溢れる甲州街道は今日もきっと 僕は裏の裏を読んでしまって迷走 同じような曲で溢れた画面 久々に同窓会、僕ら面影残ってない…

夏日が続いて

アルコホルの過剰摂取 金払って胃袋を空にする様 遅番のバイト、音楽教室の整理 今日もピアノ教室からは懐かしい柔軟剤の匂い 君のその匂いはどこにでも売ってる2190円 僕の匂いはどこにでも売ってる520円 バイトをやめて喪に服した三日 赤と青を白黒で記憶…

不感症

顔も性格も対して好みじゃなかった ただ、好きでいてくれたし、 匂いが好きだった 前日まで死ぬほど冷めていたのに 匂いを嗅ぐだけで僕はきっと好きなんだと誤認していた 部屋の匂い、髪の匂い、服の匂い 全部が混ざった時にそれは木天蓼と成り果てた 冷え性…

遠郷

月末に飛び立った友達 根性なし故に予想外 前の女からは応答なし 言葉の過多は浮気に変わる 言葉の過少が不安になる 白と黒を叩いて言語を創造 青と赤に安堵して黄色に当惑 煙が揺蕩う先はピンクのネオン 愛でも恋でもなく、ただ時間を金で買う 帰路にて余熱…

独白

どこにいても道はお互いにつながっているからさ いつでも寂しくなったら会えるからさ そんな嘘で安心できるわけないでしょ 今日寝て、 9時間後にはバイトに向かう でも20時間後に君に会える、 それだけで日々生きられる 安いアルコールをそそぎ入れる 深夜バ…

葉桜の穴から

あの日包んで伝えてくれた言葉 今になって包みを解いてしまって 言葉を並び替えて、置き換えて 今すぐに全て捨てたくなってる 終電に揺られて終点で頬を叩かれる日々 君もまだ多摩に残るんだってね 乗り換え駅で会えるんじゃ、って勘ぐったり 私ピンクが好き…

停滞

もう終盤だというのに花粉はしつこく粘りつきます 最後の最後に別れを惜しんだ僕のようで、君の心中が察せられます バイト先の最後の締め作業、なんだか色々な気持ちが混ざります やっと終わる、そんな安堵の中に 少なからず混沌とした、終わりに対する哀惜…

上越新幹線に乗って

愛と哀を間違えちゃいけないって聞いた 可哀想で支えたいからそばにいたい その情を愛だ恋だと見紛うと罹患と夜を抱いてしまう その人の環境に惑わされないで それだけ 新しい環境、新しい友達 恋愛観も一転した 男女構わず泊まり込みの日々 浮気を浮気と思…

いつか立ち止まりたくなるときも上を見上げると誓って、でも どんな辛い時も手だけは上げないと約束する しっかりと地に足の着いた生活を送ると誓って、でも どんな時も膝だけは地に着けないと約束する 二人だけの約束、は重すぎるけど 二人だけの秘密、は高…

憧憬

最高な音楽を骨髄まで染み込ませた帰り道 脳天から揺さぶられた気持ちがした 元彼女と寄りを戻したいわけじゃ無い 一人の方が無責任でいれる でも二人でいないと虚勢に襲われる その狭間で揺れて、何も言い出せずにまた月が登る 今の二人の関係を壊したく無…

誘蛾灯と蛍光灯

月の光冠が春を呼んだと思えば 凍雲ばかりが冬を呼ぶのです 風呂上がりだと言う彼女の匂いと 香水を変えたと言う彼女の匂い それぞれの言い訳の奥にばかり目がいってしまうのです うまく行かない話は男女問わずで 離島に飛んだ奴の生死がそれぞれ気になりま…

あることないこと、あるかもしれないこと

4/1の午前はラインとか、返さないようにしてる。 SNSに踊らされる自分バカだなーとか思う。 嘘なんてこの日に限らずついてるし、画面越しに信じられることなんてほとんどないのにね。 元気が無くたって、「!」をつけてしまえば元気に見えてしまうし、 語尾…

抜け殻

あと数日で大学生だと言うのにそんな実感が得れないでいる。 公園ベンチでの前戯、格安ホテルでの休憩。 路地裏での喫煙、年齢確認に怯える日々。 通信制限に苛まれた昼、誤送信に狼狽える夜。 ママ活とペドフィリア、 陰と陽、 スカートとスラックス。 素行…

生かす音楽、殺す音楽

この一年の間に、音楽が全くできない期間が少しだけどあって 高音の聴覚過敏で、音楽が怖くなりました ライブ通いや自分がステージで演奏することによる難聴も関係あるみたいで しばらく足が遠のいていたんだけど、なぜかいける気がして受験が終わってからス…

ほろ酔い気分

小6でギター教室を辞めた これからが楽しいのにって先生は言ってた 音楽は辞めないですからって伝えた あれ何年が経った?先生がついに仕事を辞めた 音楽やめてないですから 追いつく とか 追い抜く とかじゃなくて今を楽しんでますから 妥協や諦めじゃなく…

辺鄙なあれこれ

深夜バイト 蛍光灯の明かり 最低なことばかり目に余り 最低な友達の優しさが垣間見える瞬間 恣意的に操作された世の中の主観 明日こそは素直にってきっと明日は来ない 最後のまたねとあの日のバカね 軽々しい愛想に振り回される日々 終止符と休止符を見紛っ…

見ててよ

成り上がりたい 東京の昼下がり でも目標はない 中途半端なことばかり 田舎と都会 喧騒と騒音 潰れた商店街に過度な高齢化 空気汚染に環境破壊 その人次第 環境は変えられる 文化を否定してまで決意と言い切る その刺青はただの間抜け 今やるべきことは全然…