対価の足跡
sガストのカウンター席に座る
沈黙を貫く均等に並んだ丸椅子と
空気を読んだかのように
無言でハンバーグ搔っ食らう似た者同士
その一方で銀色の壁に囲われて
忙しなく働く赤ポロのクルー
これで時給985と聞いて
不思議な気持ちになる
自分はと言うと好きなものに囲まれて
基本的に接客を一時間に一回
それ以外は座って駄弁ったり好きな楽器を弾く
それで時給1000、少し胸が痛くなる
時給2500の塾講だって
ずっと頭使って、前準備だってして
時給1500の深夜バイトをする友達
腫れた目を擦り揚げ物を揚げる
大変だなあみんな大変だなあ
人の価値ってなんだろうね
時間の対価はすごく理不尽だね
一枚しか二人の写真を投稿しなかった一年連れ添った元カノ
今の彼氏とは死ぬほど写真撮ってるじゃん
人の価値ってなんだろね